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あなたが支払った保険料は税金が安くなる?保険料控除の仕組みを基礎から解説

Tags: 保険料控除, 節税, 所得控除, 税金, 仕組み

あなたが支払っている保険料、実は税金が安くなるかもしれません

日頃から生命保険や医療保険などの保険料をお支払いになっている方は多いかと存じます。これらの保険料が、実は税金を計算する上で有利に働く「節税効果」を持っていることはご存知でしょうか。

「なぜ保険料を支払うと税金が安くなるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。この仕組みを理解するためには、「保険料控除」という制度について知る必要があります。

この制度は、私たちが支払った保険料に応じて、納めるべき所得税や住民税の額を減らすことができるものです。この記事では、この保険料控除の基本的な仕組みについて、分かりやすくご説明します。既に保険に加入されている方も、これから検討される方も、ぜひ税金と保険の関係をご理解いただく一助としてください。

保険料控除とは?所得から差し引ける「所得控除」の一つです

私たちの所得にかかる税金(所得税や住民税)は、収入の全てに課税されるわけではありません。収入から、特定の金額を差し引いた「課税所得」に対して税率をかけて計算されます。

この「収入から差し引ける特定の金額」の一つが、「所得控除」と呼ばれるものです。所得控除には様々な種類がありますが、私たちが支払った保険料の一部を所得から差し引くことができる制度が「保険料控除」です。

つまり、保険料控除を適用することで、税金計算の基となる「課税所得」を減らすことができます。課税所得が少なくなれば、それだけ税金の額も少なくなる、というのが保険料控除による節税の基本的な仕組みです。

保険料控除が税金にどう影響するのか:計算のイメージ

保険料控除がどのように税金を減らすのか、もう少し具体的にイメージしてみましょう。

税金の計算は、大まかに以下の流れで行われます。

  1. 収入金額:給与所得など、1年間の総収入額
  2. 所得金額:収入金額から必要経費などを差し引いた額(給与所得者の場合は給与所得控除などを差し引いた額)
  3. 課税所得金額:所得金額から所得控除(保険料控除を含む)を差し引いた額
  4. 所得税額・住民税額:課税所得金額に税率をかけて計算

ここでポイントとなるのが「課税所得金額」です。保険料控除を適用すると、所得金額から差し引ける所得控除の合計額が増えるため、結果として「課税所得金額」が減少します。

例えば、所得金額が500万円の方がいたとします。

このように、保険料控除によって課税所得が減る分、税金が安くなるというわけです。どれだけ安くなるかは、課税所得の金額に応じた税率によって異なります。所得が多い方ほど高い税率が適用されるため、保険料控除による節税効果も大きくなる傾向があります。

保険料控除の主な種類

保険料控除には、主に以下の3種類があります。

これらの控除にはそれぞれ上限額が定められており、支払った保険料の全額がそのまま所得から差し引けるわけではありません。例えば、所得税においては、各控除区分ごとに年間最大4万円(合計最大12万円)まで、住民税においては、各控除区分ごとに年間最大2.8万円(合計最大7万円)までといった上限があります(契約時期により旧制度の適用となる場合もあります)。具体的な計算方法や上限額については、別の記事でも詳しく解説しています。

控除を受けるには手続きが必要です

保険料控除の適用を受けるためには、ご自身で申告の手続きを行う必要があります。

これらの手続きを行うことで、納めすぎた税金が還付されたり、これから納める税金が減額されたりします。

まとめ:保険料控除は賢い節税の第一歩

保険料控除は、普段お支払いになっている保険料を通じて、所得税や住民税の負担を軽減できる有効な制度です。

という点をまずはご理解いただければと存じます。

ご自身の加入している保険がどの控除の対象となるのか、どれくらいの控除額が適用できるのかなどを確認し、忘れずに申告することが大切です。

なお、税法は将来的に変更される可能性があります。最新の情報やご自身の具体的な状況については、必ず税務署や税理士などの専門家にご確認ください。